1
バニーガールが腰をくねらせて踊っていた。俺の腹の上で。
一晩中吸い付いていたくなる形のいい唇から甘えた声を漏らし、彼女は俺のチンポに自分の肉ヒダを絡めてくる。その声を聞いているだけで三日は萎えそうになかった。
快楽に翻弄されるのが悔しいのか、時おり唇を噛んで耐えようとするのだが、そんなときは彼女の動きに合わせて俺も腰を使ってやる。すると、すぐに堪えきれなくなり「あっ❤」と口を開く。
その直後にキッときつい目で睨んでくるのは、年上の余裕を見せられない悔しさによるものだろう。そんな目をされると余計に俺のチンポが硬くなることに、まだ彼女は気づいていないんだろうか。
手で口を塞ごうとするため、途中から両手は俺が封じていた。封じたといっても暴力的な解決ではない。ただ、両手の指と指を絡め、愛する恋人同士のように手を握り合っただけだ。両の手のひらを合わせ、互いがしっかり握り合う。
途中のコンビニで買わせたコンドームは、いま着けているので最後だ。ヤりもヤったりといったところだが、これだけヤっておいて彼女が一番恥ずかしそうな顔を見せたのは、騎乗位で繋がったままラブ握りしたときだった。
女心というやつは分からない。
心は分からないが、身体のことなら、あらかた確認済みだった。
ギシギシとベッドのスプリングがうるさい。その反動を利用して俺も下から腰を突き上げる。
「んぁあ❤」
狙い違わずツボを突けたようだ。彼女の蕩ける表情と媚びる声で分かる。
「ちょっと休んで回復したし、麻衣さんの好きなやつやりますね」
俺は上体を起こし、彼女を抱きしめたままベッドを降りる。本当は一度抜いてハメ直そうと思ったのだが、彼女が擦りつけてくるので外す隙がなかった。
これを本人は無意識でやってるのだから、末恐ろしい才能と言えよう。
薄っすらと肌色の確認できるストッキングに包まれた長い脚が、俺の腰にグイグイと絡みつく。両腕は俺の首に回されていた。木にしがみつくコアラのようなポーズをした彼女と俺は繋がっている。
「こんなのが好きだなんて……んっ、言った覚えないわ」
この状況で強がるのかよ。どう見たって駅弁ファックを期待してチンポ締め上げてるじゃないか。
聞こえてないつもりかもしれないが、小さい声で「やっぱり大きぃ❤❤」て言ったの気づいてるからな。
ーー最高かよ。
やはり桜島麻衣はそうでないと。
俺は彼女の尻を支えるように抱え直す。
無言で舌を突き出すと麻衣もピンク色の舌を遠慮がちに出す。二匹の蛇が戦うように舌が絡み合った。
あの桜島麻衣とディープキスしながら、駅弁体位で繋がってるなんて現実感の欠片もない。
だが夢じゃない。これは紛れもなく事実。
「じゃあ俺が好きな挿入《い》れ方ってことにしといてあげます」
抱きついてくる麻衣の耳元でささやく。
「そのかわり、好きな体位だから、激しくなりますよ」
「ーーッ! やめっ」
抗議の声は無視して抽送を始める。
「ひぎぃ! あん❤あっ❤はげっし……ん、壊れ、る……❤❤」
ことさら大きくパン、パン、パンと音を立てながら突き上げると、自分の体重で膣内の奥を犯された麻衣の身体が硬直する。
快感に耐えようとしてきつく抱きついてくるのは逆効果だ。彼女の細身だが女性らしい柔らかさを湛えた肉の感触を全身で受け止め、ますます俺の海綿体に送り込まれる血液の量が増大した。
「好きですよ、先輩。一生かわいがってあげます。毎日愛しますから」
振り落とされないようしがみつくだけで精いっぱいの麻衣。そんな彼女の膣内《なか》で射精寸前の俺。
最後は思い切り突きまくってイキたい。
ベッドに降ろした麻衣の身体を二つ折りにして、のしかかるように上からピストンを叩き込む。彼女は種付けプレスの圧迫感に顔を歪めたが、子宮まで振動が伝わるように揺すぶり続けると、すぐに恍惚とした表情を浮かべてキスをねだってくる。
「そろそろイキます」
「イッて! お願い。私も、限界……❤」
俺たちは獣のような咆哮を残し、全身で繋がったまま同時に果てた。
二回、三回、四回とチンポが跳ねる。そのたびに麻衣の敏感なヒダヒダが喜び、精子を最奥へ運ぼうと蠕動《ぜんどう》を繰り返した。
2
子供のころからなにかをねだったり、お願いするのが苦手だった。
そういうのが必要な場面でも最初に相手のことを考えてしまう。
自分が声をかけたことで相手の作業や意識の流れを止めてしまわないか、ひょっとして人と話したくない気分のときに話しかけてしまったんじゃないか。
面倒なお願いをして断れない雰囲気になってないか。
究極的に言えば、その人が何を迷惑と感じるかは本人にしか分からない以上、そんなことをウダウダ考えても仕方ないのだが、染み付いた行動規範はプラスチック製品にまとわりつく油汚れのように、拭っても拭ってもぬるぬると嫌な手触りが残った。
どこに出ても恥ずかしいコミュ症に成長した俺は、気づけば高校二年生になっていた。
難儀な性格で友人も少なく、ましてや彼女などできようはずもなかった。
しかし、年齢イコール彼女いない歴を更新し続けていた俺は、ある日、奇妙なことに気がついた。
いつも通り人間関係のストレスを発散するため、家の近所を走っていたときだ。
前方に人影が見えた。同い年くらいの女の子。俺も通う峰ヶ原高校の制服を着ていた。
ダルそうな足取りで歩く彼女をもう少しで追い越すときだった。タイミングを見計らったかのように風が吹く。
それほど強い風ではなかったが、少女のスカートを持ち上げるには十分だった。
油断していた彼女はスカートの裾を抑えるのが遅れた。
ーー水色。
ほんのわずかだがチラっと見えた布地の色を、高精細4K画質並みのクオリティで記憶に焼き付けた。
ありがたや、ありがたや。今晩のオカズはこれで決まりだ。
性欲は運動で発散しろなんて言う人がいる。断言しよう。あれは無意味だ。
性欲は運動じゃ発散されない。まったくの別物。むしろ体力が有り余って仕方ない。
恥ずかしそうにこちらを見る彼女と目が合った。
大きくて丸い目が印象的な、かわいい系の顔立ちだった。目を引く美人とかクラスの男子全員が漏れなく恋する美少女とかいうタイプではないが、一緒にいて疲れなそうな雰囲気があった。
恋人にしたら、大人になってから高校生活を振り返ったとき、いい思い出だったと思える毎日が送れそう。そんな年寄りじみた感想を抱かせる。
なにも見てませんよな顔をして俺は通り過ぎる。
努めて冷静な風を装っていたが、実際には「あのテレ顔だけで三回は出せるな」などと考え、恥ずかしがる彼女の顔をドロドロに汚す妄想で忙しかった。
だからだろうか。
妄想の中だけで留めておくはずだったセリフが、口をついて漏れ出てしまう。
「すみません。もう一度パンツ見せてくれませんか」
ーーいまのは誰の声だ? 俺だ!
大失態を自覚して心臓が止まりかける。
全身の汗腺が開き、一瞬でシャツの背中がビチャビチャに濡れ、口の中がカラカラに乾いた。
エマージェンシー。緊急事態。社会的な死へまっしぐらだ。
全力ダッシュでこの場を離れようか。いや、それじゃ怪しすぎるから、このままのペースを保ち何事もなかったフリで有耶無耶にしてしまおう。
そうしよう。
瞬きが永遠にも感じる引き伸ばされた時間の中で俺は結論づけた。
そこへ彼女の声がかかる。
「あの」
驚きすぎて心臓が口から出そうになった。
無視するか?
素直に謝るか?
「私のパンツ見てください」
迷いもなにも横に捨てて急停止した。あまりにも急に止まりすぎたため、負荷のかかった右膝がピキッと痛む。
膝の具合を確かめる俺の前まで歩いてきて、彼女は「はい。どうぞ」とスカートの前をたくし上げた。
記憶にある通り布地は薄い水色で、おそらくこの年齢の女子が履く下着としてはオーソドックスな、飾り気のない形状をしていた。普段はスカートの奥に隠されている太ももの際は、白桃の缶詰を思わせる瑞々しさだった。
これは現実か。男遊びとは無縁そうな少女が、出会ったばかり(出会ったとも言っていいのか)な男に、自ら下着を露出している。
この薄布一枚隔てた向こうには、特別な相手にしか見せない秘密の場所があるわけで……。
そんなことを考えていると股間が元気になってくる。
ジャージを突き破らんばかりに勃起したナニを隠すため前かがみになるが、あいにくと、その程度で隠せるほど俺の息子は控えめなサイズをしていない。
銭湯に行ったときなど密かな自慢だった。惜しむらくは排泄以外で使う予定がないことか。
「もう、いいですか?」
パンツ出しっぱなしで立っていた少女が顔を赤くしながら、俺の許しを求めてきた。
「ありがとう。いいもの見せてもらいました」
間抜けなお礼を合図に彼女はスカートを元通り整える。
そのままなにも言わず、なにもなかったように歩いていってしまった。
人は見かけによらないと言うが、俺は清純派痴女に遭遇したのだろうか?
痴女の時点で清純派にクエスチョンマークつけられそうだが、世の中には清純派セクシータレントなるジャンルもあるのだから、頼んだらパンツ見せてくれる女の子くらい清純派の範疇《はんちゅう》だろう。
奇妙な出来事は一回で終わらなかった。その後も俺が『お願い』したことは叶い続けた。普通であれば良くてドン引き、最悪は通報まであるような『お願い』でも、ある形式に沿って唱えることで拒否不可能な命令となった。
その形式とは「すみません。○○してくれませんか」だ。
何度か試すと最初の「すみません」を唱えた段階で、相手の目から光が消え催眠状態に入るのが分かった。
その後のお願いが刷り込まれた段階で意識は戻り、普段と変わりない様子になるが、そのときには認識がすっかり上書きされている。
面白いことに言われた本人だけではなく、周囲にいる人間にも同時に影響を及ぼすようだった。
たとえば教室の真ん中で「すみません。セックスさせてくれませんか」と唱えた場合、対象は当然として周りの人間までもが「あいつらがセックスするのは当然だ」と認識する。
こんなご都合主義を地で行く展開が巡ってきて、体力と性欲を持て余す思春期男子がなにをするかといったら……言わずもがな、エロいことだ。
適当に童貞卒業を済ませた俺は、その後も目についた女子にチンポ突っ込む日々を送っていた。
ただ、最初のころは楽しかった学園催眠ハーレムも、毎日同じ展開だと飽きがくる。
ヤらせてくださいと言えばヤらせてくれる女子はたくさんいるが、このころになるとお願いしてまでヤりたい女子はいなかった。
俺に彼女や片思い相手を喰われた人間が聞いたら、殺してやりたくなるほど酷いセリフだろうが、人間は幸福にも不幸にも慣れてしまえる生き物なんだと思う。
そろそろ狩り場を学校外にも広げようか。この能力がどこまで有効なのか限界を試してみたい。
好奇心が鎌首をもたげたころ、あの事件は起きた。
梓川咲田の桜島麻衣への告白。
全校生徒の前で愛を叫んだ梓川と、彼の暴力事件疑惑を否定してみせた桜島麻衣。
その後も校内で二人が一緒にいるところをたびたび目撃すれば、不器用コミュ症の俺でも男女の仲がどうなっているかくらい見当がつく。
許せなかった。
一学年上の美人な先輩を想い、自分で慰めた回数は両手足の指でも到底足りない。すっかり最近は妄想癖も収まっていたが、以前は毎日のように脳内でお相手してもらっていた。
それなのに現実の俺は、ふざけた能力があるらしいと気づいたあとでも、桜島麻衣に接触しようとはしなかった。
腰が引けていたのだ。
美人で学年が上で、しかも有名な芸能人ときてる。
桜島麻衣でオナニーしたとか、付き合いたいし突き合いたいと猥談に花を咲かせる男子は多かったが、実際にアタックした人間の存在を俺は知らない。
住む世界が違う。別次元の存在。高嶺の花。
いろいろと理屈を並べてはみても、結局ビビっていたのだ。
俺を含めて。
そこへ梓川の登場だ。
不覚にも少しカッコいいと思ってしまったね。あの状況で振られたら全校の恥さらしだとか、明日からどんな顔して学校に来ればいいんだとか考えなかったんだろうか。考えて、それでもあの行動を取ったなら、やはり少しカッコいいじゃないか。
だからって許せるものじゃないが。
それはそれ、これはこれというやつだ。
高校生ともなれば付き合った先には、当然そういう行為もあるわけだ。
俺以外の誰かが桜島麻衣を抱くなんて考えたくなかった。
梓川の登場に焦った俺は意を決して桜島麻衣に接触した。まったく簡単なことだったよ。
いつも通り「すみません。セックスさせてくれませんか」とお願いするだけでよかった。
彼女の答えは奮ってた。
「年下の男の子の性欲を受け止めてあげるくらい、別にどうってことない」
その認識はそばにいた梓川にも浸透したようだった。
「それじゃ俺たちは先輩の家でヤりまくってくるから」
正気なら殴りかかられてもおかしくないセリフだが、梓川は気前よく見送ってくれた。
その日のうちに俺たちは繋がった。俺のナニがキングサイズだったため、初めての彼女は少し苦しんだが「すみません。痛みを気持ちよく感じてくれませんか」とお願いしただけで、すぐに喘ぎ始めた。
本当に便利すぎる。
チートが過ぎて怖くなってきた。なにか気づいてない落とし穴があるんじゃないか?
その日から俺は桜島麻衣の肉体《からだ》に溺れた。
毎日彼女の家に通いつめては、動けなくなるまで抱き潰した。明け方まで二人で抱き合い、繋がったまま寝て起きたら学校へ行く。
俺のチンポに奉仕していた口で梓川と一緒に飯を食う姿は、股間にくるものがあった。
梓川と電話で話させながら入れたこともある。
「すみません。俺とセックスしてる感想を童貞の梓川くんに聞かせてやってくれませんか」
俺に寝バックでへその下を擦られながら、彼女は吐息混じりにレポートした。
「彼のが後ろから入ってきて、すごく……すごっ❤指では届かない、奥まで突いてきて……はぁ、ダメッ❤イク、イッ❤」
「奥を突かれてどうなんですか」
「イクッ❤お、奥を突かれて、はぁ、ダメ……気持ちいいのが、止まらない……あん❤そんなに強くしないで」
しないでが本気の拒絶か甘えか。その程度は見極められるようになっていた。
エイリアンが母体を食い破って外へ出ていこうとするように、内側から腹のほうに向かって強く突き入れてやると、桜島麻衣は持っていたスマートフォンを落とし、両手で強く枕を掴む。
枕に強く顔を押し付けているのは、可憐な美少女にあるまじき野獣のような唸りを聞かれるのが恥ずかしいからだ。
余計に鳴かせたくなる。
ほかの女は二、三回抱いたら飽きたのに、彼女とのセックスはするたびに楽しくなってきた。俺が喜ぶ仕草やセリフを心得ている。お願いしなくても叶えてくれる。これも身体の相性がいいのうちに入るんだろうか。
「先輩、そろそろイキそうですよね。ぎゅうぎゅう締め付けてきましたよ」
絶頂が近い彼女の膣内は射精を求めてヒダがうねる。男の放つ精を奥へ奥へと誘う動きだった。
「コンドームを着けていても妊娠が完璧に防げるわけじゃないんですよ。知ってますよね。避妊に失敗することもあるんです」
俺は彼女の耳元にささやく。
「ところで、俺は中じゃないとイケない体質なんですが、今回も膣内射精《なかだし》で精子ドバドバ出しちゃっていいですよね。ひょっとしたらゴムに穴が空いてたり、破けてたりするかもしれませんけど」
その可能性は低いのだが、もしもを吹き込むことにより、彼女の心に甘い毒を流し込む。
年下の、まだ結婚もできない年齢の男に孕まされる可能性を、彼女は少しでも感じてくれただろうか。
桜島麻衣からのリアクションはなかった。陶酔しきって話が聞こえていないんだろうか。
「くぁッ! 締め付けが強くなりましたね。中出し許可と取っていいですか。ダメって言われても、もう限界ですけどね」
俺はめちゃくちゃに腰を振った。まさに蹂躙という言葉がぴったりだった。彼女は枕を握る手に力を込め、肩にもガチガチに力が入っていた。
その力が不意に抜けた。達したのだろう。それに遅れること数秒で俺も射精した。
狭まる隘路《あいろ》に締め付けられながら、俺は通話中になっていた桜島麻衣のスマートフォンを拾い、彼女の顔に近づけた。
「すみません。イッた感想を電話の向こうでオナニー中の梓川くんに教えてあげてくれませんか」
しばらく枕に顔を押し付けたまま快感の余韻に浸っていたが、彼女はおもむろに顔を上げて一言。
「最高」
俺は彼女の頬にキスを落とす。
「男の人のってみんな、こんなに大きくて、硬くて、強いの?」
「俺のは特別製ですよ。先輩は大きくて、硬くて、強いチンポは好きですか」
「なにを言わせたいの?」
「すみません。俺のチンポで気持ちよくなれたか教えてくれませんか」
「このチンポに出会ってから毎日、こんなのは初めてって思わされてるわ。これで満足?」
「全国のファンが聞いたら泣きながらシコりますね。イメージと違う。けど、めちゃくちゃ抜けるって」
「君のせいでしょ。私のここをこんなにして。ほかの人のじゃサイズが合わなくなりそうよ」
最後の一言が余計だった。彼女としては俺のサイズを褒めたつもりだろうが、結果的に俺の独占欲と嫉妬心を焚きつける。
「先輩は俺とだけセックスしてればいいんです。ほかの男のことなんか考えないでください。それとも誰かとする予定でもあるんですか」
「また硬くなってきた。何回するつもりよ」
「何回でもしますよ。先輩が満足してくれるまで」
その日も俺たちは夜通しヤり通した。
3
暗くなり始めた部屋に白い背中が浮かぶ。
麻衣との十八歳未満閲覧禁止な日常が始まったのは五月の末。そこから時間が経っていまは七月。夏休みが迫っていた。
俺たちは性急に身体を重ね続けたが、肉体ほど精神の距離はすぐに縮まらなかった。俺の中から、彼女への負い目や遠慮が抜けるまで時間がかかった。
お互いの恥ずかしいところを見せ合い、触り合うばかりか舐め合い、挿入までしながら、俺の中には麻衣に尻込みする部分が残っていた。最近ようやくだ。彼女を麻衣と呼べるようになったのは。
俺に向けられた背中を指先で軽く撫でる。敏感な場所なのか驚いたように身を震わせていた。また新しい発見だ。
「すみません。麻衣さんが持ってる一番エロい衣装で相手してくれませんか」とお願いして、出てきたのがバニーガールだったときは少し驚いたが、間違いなく最近では一番燃えた。
すらりと伸びた足に興奮して、初めて素股をお願いしてしまった。ストッキングに包まれた太ももに挟まれながら、彼女の恥丘に擦りつけて果てる快感は、なぜいままで思いつかなかったんだろうと後悔したし、今度は絶対に生足でやってもらおうと決意した。
レオタードをずらしての抽送はキツかったが、そんな不便さえ愉快なものだった。
細身ながら控えめな谷間ができていて、そこに顔を埋めながら腰を振ると、ひと突きごとに射精《で》てしまいそうなほど下半身が馬鹿になった。
認めなければならない。
俺は麻衣とのセックスにハマっていた。
本来は彼女をそうするはずだったのに、ミイラ取りがミイラってやつだ。
悪い気は全然しないが。
彼女を放したくない、誰にも渡したくないと思う気持ちは日増しに強くなり、子供じみた独占欲がこじれるのを自分でも感じる。だから最終段階へ進むことに決めた。
「……ん、また、するの」
背後から挿入しようとする俺に気づき、麻衣がかすかに抵抗する。
「さすがに少し休ませてちょうだい」
「大丈夫ですよ。俺が動くので麻衣さんは寝ててください」
「そんなこと言っても……硬っ❤」
「気持ちよくなって動いちゃうのは止めませんけどね」
「生意気なこと言っちゃって」
彼女の膣内はすぐに潤んだ。すっかり俺のモノに馴染んだ隘路は、ヒダの一枚一枚がうねり、そこに収まるべき主人の再訪を快く歓迎してくれた。
後ろから抱きつきながら根本まで挿入した俺は、すぐには動かず麻衣の膣内が俺の形に馴染むのを待った。しっかり形状を記憶していた膣壁が刺激で目覚め、細かな凹凸にまで隙間なく食らいついてくる。
ボクサーのマウスピースのようにフィットしたのを感じ、ゆるゆると俺は動き出す。
「はっ、はっ、あっ……あん❤」
首筋に吸い付きながら動くと甘い吐息が漏れた。
「すみません。この行為はなんのためにするものか教えてくれませんか」
「愛する二人が子供を作るための行為……で、間違いないわよね?」
麻衣は顔を真赤にして答える。恥ずかしがる彼女は最後までハッキリ話すことができず、所々かすれて聞き取りづらかったが、それでもいまやってることが生殖目的の行為だと認めた。
恋人同士が愛を確かめ合う行為のような、ロマンチックな回答も考えられたが、彼女はセックス本来の意義や目的を生殖とおいている。
それには俺も同意見だった。
「先輩、夢中で忘れてるかもしれませんけど、さっきのでゴムは使い切ってます。つまり、いまは生ハメなんですよ」
本当に麻衣は失念していたらしい。重大なことに気づいた様子で暴れだした。
「抜きなさい! デキたら冗談じゃ済まないのよ」
後ろ手に腰を押し返してくる。無駄だ。そんな細腕で俺のピストンは止まらない。
「俺たちがやってるのは子供を作るための行為なんですよ。これこそ本来の目的にかなってるじゃないですか。それに」
腰の動きを早めると彼女の抵抗が弱まり、なにかに耐えるように身を縮こまらせた。
「ナマ気持ちよくないですか? 俺は最高に気持ちいいです。チンポどころか下半身が溶けて持ってかれそう」
「はん❤きもち……ぃ、とか、そういう……ひうっ❤ことじゃないでしょ」
「気持ちいいのは認めてくれるんですね。俺もびっくりですよ。あんな薄皮一枚剥いだだけで、いままで分からなかった細かいブツブツまで感じられて……世の中の夫婦は、こんなこと経験してたんですね。これから見る眼が変わっちゃうな」
彼女を四つん這いにして後ろから強く突き入れる。もっと奥へ。一番奥へ。少しでも子宮に近いところで射精してやろうと、俺はグイグイ腰を押し込んでいた。
「麻衣さん。俺はね、思うんですよ。なんの努力も苦労もなく手に入れた能力《ちから》は、やっぱり手に入れたときと同じように気づいたら失くなってるんじゃないかって」
「あっ、あっ、はっ、んんん……いやぁ❤そんなに膣奥《おく》ばかりしないで❤」
「俺が過去に読んだ漫画ではそうなってたんです。それで、能力を悪用していた悪人は、それにふさわしい報いを最後に受けるんですよ」
前から手を回してクリトリスをいじってやると、俯いていた麻衣の頭がバネ仕掛けのように跳ね上がった。
「俺は自分が悪人だって自覚してます。最後はロクでもないことになるでしょう。学校中の女子をハメ回して、本来なら話すことも恐れ多かった先輩にチンポ突っ込んで、こんな幸運どこかで特大の不幸がこないと釣り合いませんよ」
「さっきからなにを話してるの」
「先輩を手に入れるためなら地獄に落ちても構わないって話です」
腰がブルブル震え始めた。麻衣の媚肉に包まれたチンポが切なく唸る。精子が出口を求めて暴れ回っているようだった。
「いつか世界が夢から醒めても、消えない繋がりを作りましょう。二人の愛の結晶を!」
俺はラストスパートに向けて加速する。バニーガールの揺れる尻を掴み、力の限り腰を突き出す。
鬼ピストンで後ろから膣奥を叩かれながら、麻衣はシーツを噛んで絶叫を堪える。
「すみません。俺の子供を産んでくれませんか」
彼女の同意を待たずに俺は果てた。こんなに出したことはないというくらい、大量の射精が麻衣の子宮を汚した。
「くぅおおぉぉおおおお!」
やってやった。その達成感と射精による快感が一度に脳みそを侵し、視界が真っ白くなったかと思えば暗転、そしてまた白い世界に戻る。いまの一瞬で脳神経が何百本か焼き切れたかもしれない。
麻衣は事切れたようにぐったりして動かず、荒い息をふぅふぅと吐いていた。
しばらく栓をしたあと、チンポを引き抜きワレメを開いてみると、中から白く濁った液体がツツツっと漏れ出してきた。
これで終わりじゃない。これが最初の一回だ。
俺は息を整えながら、麻衣との家族計画に想いを馳せていた。